羨む気持ちがあるか、無いか
長い間、1年に1度だけ会う友達がいる。
彼女と出会ったのは、私の人生初めてのアルバイトの時だった。オープニングスタッフが募集されていて、みんなが初めまして。のタイミングだった。
私とは年が近そうなのに、何だか刺々しくて何時も一人でいた。
時間が経つとお互いに相手の
様子がわかってきた。
地方の島から上京し、色んな仕事を経験したらしい。
家庭も複雑、家も田舎も人も
みんな捨てて東京に来た。
絶対に東京の人間には負けたくない。そう言って彼女は頑張っていた。
東京に居る人には解るはずがない! いつもそんな事を言っていた。
でも、東京はそんなにいい所じゃない。いい所ばかりがクローズアップされてるだけの
街だ。影には醜く汚い部分がすぐ裏には隠れている。
彼女と酒席をもった。今年、
私は父が死に、彼女は母を亡くした。私たちはお互の育った環境を初めて話し合った。
お互いを憐れみあった。
そして、今あるのは、この
悲しい親から私たちは産まれ、育ってきたと言うことの不条理さを噛みしめる。
他の環境に生まれたならば、
私の人生はもっと変わっていたに違い無い。
何故私は私なのか?何故あなたはあなたなのか?
何だか中学生みたいな事を、
やっぱり今も考える。
私が生きてきたこの時間は
かけがえのない日々だ。
死のみぎわ、なかなか悪くなかったな、私の人生。
と思えたなら、上出来ではないか。
Lealue